Nobuo Araki / The Archetype

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FC24 DENTAL STORE

- 予防医療へと導くリボン -  北海道札幌市の中心市街地にあるショッピングモール内のデンタルクリニックである。施主は、北海道を拠点に活動する歯科医。  本クリニックでは、インプラントの日本有数の最先端の治療を受けることの出来る専門的な診療施設であるとともに、予防、小児、矯正の診察も行なう、新たなクリニックとしての空間を目指した。  そのためのひとつの解答として、我々は歯の健康に関する情報交換の場の構築を試みている。いまやネットやドラッグストアで歯の健康グッズは膨大にみることができる。だが患者一人一人に最適なグッズの説明が不足している。そこで歯科グッズの解説や紹介を行う、インフォメーション・ショーケースの機能をもったストアとしてのコンシェルジュを設けている。また、ショッピングモール内のデンタルクリニックという開かれた立地条件をいかし、診察をしなくても買い物ついでに気軽に立ち寄ることのできるオープンスペースをもった、よりカジュアルな存在にすべく、入り口付近には、受付機能でなくストア的スペースを配置した。  空間は、利用者と歯の健康に関するコンシェルジュ、クリニック、エデュケーション等を「つなぐ」ことをコンセプトに、約60坪の空間の中に、「つなぐ」を想起させる、ひとつの有機的な「リボン」を採用している。ストア、待合、さまざまな診療に対応できる診療室からなる、間仕切りをなくしたオープンユニットゾーン、個室群からなるクローズドユニットゾーンのふたつを、当デンタルクリニックのアイデンティティカラーである、一筆書きのオレンジのリボンで、プログラムごとに文節しつつ、囲みこむようにひとつに繋げた。コミュニケーション・ルームの用途をもった個室は、長時間の待合的な機能や、モニターを使った診療や相談室的な機能も兼ね備えている。さらに、予防のための歯科グッズをリコメンドするストア、その空間と一体となったスペースは、「mountain」と名付けた壁面を中心に、歯科医療だけでなく、デザインなどさまざまなジャンルに関するレクチャーやイベントも行なうことのできるフレキシブルな空間となる。  ここでは、治療だけでない、エデュケーションとコミュニケーションを兼ね備えた空間をつくることにより、以上の課題と問題意識を解決することを試みている。

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